最高裁判所第一小法廷 昭和36(オ)1351 判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人らの負担とする。
理 由
上告代理人弁護士天野儁一の上告理由第一点について。
原判決がその理由において第一審判決の理由の記載を引用し且つ所論のように附
加し又は訂正し或は削除をしていることは所論のとおりである。しかし、民訴三九
一条には控訴判決が理由を記載するには第一審判決を引用することを得る旨を明定
しており、右にいう引用とは原判決の記載そのままを引用するを要するの謂ではな
く、これに附加し又は訂正し時に或は削除して引用しても妨げない趣旨と解するを
相当とすべく、そして所論の訂正等により原判決自体においてその理由が分明でな
くなつたものとは言い難いから、原判決には所論理由不備の違法ありと言うを得な
い。それ故所論は採用できない。
同第二点について。
しかし、所論のように認定したからといつて、必ずしも実験則に反している筋合
のものとも言い難い。所論はひつきよう原審が裁量の範囲において適法になした事
実認定への非難以外のものではなく、採るを得ない。
同第三点について。
記録を精査するも、所論事実は原審最終口頭弁論期日まで陳述された形跡を認め
られないから、原審がその点に言及しないからといつて原審に審理不尽の違法あり
というを得ない。また法律審たる当審において所論事実に基いて審究するに由がな
いことは改めて言うまでもない。それ故所論も採用できない。
よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で主
文のとおり判決する。
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最高裁判所第一小法廷
裁判長裁判官 下 飯 坂 潤 夫
裁判官 斎 藤 悠 輔
裁判官 入 江 俊 郎
裁判官 高 木 常 七
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